【1月20日 AFP】内閣府の食品安全委員会の作業部会は19日、体細胞クローン技術を使って誕生した牛や豚について「通常の繁殖技術で生産した牛・豚と同等に食べても安全」とする報告書をまとめた。これにより、クローン動物から製造された食品の流通解禁の可能性が高まった。

 作業部会座長の早川尭夫(Takao Hayakawa)近畿大薬学総合研究所長は、現在の科学技術を考慮した結果、クローン技術を使って誕生した動物は、通常の動物と等しく食べても安全との見解を示した。

 クローン牛・豚の安全性を認めた作業部会の報告書は、さらに別の専門家委員会で議論され、その後、食品安全委員会に提出されることになる。

 ただし、同委員会が国内での流通を承認したとしても、解禁までには政府内でのさらなる議論が必要とみられる。

 クローン技術を使って誕生した動物の食品については、倫理上・健康上の見地から抵抗が強いが、国内外の研究機関からは相次いで、クローン動物は通常に繁殖された動物と同等に安全との報告が発表されている。(c)AFP