【1月9日 AFP】中国語を話すケビン・ラッド(Kevin Rudd)首相のおかげか、オーストラリア国立大学(Australian National University)でアジア言語の習得がブームとなっている。

 同大のアジア研究部門の責任者ケント・アンダーソン(Kent Anderson)教授は9日、AFPの取材に答えて「恐らく首相が中国語を話す影響で、中国語を学びたいという学生が急増している。、政府の言語教育推進プログラムともあいまって、アジア言語全体の人気が学生の間で高まっている」と述べた。

 中国語を登録した学生数が過去最多となったほか、2009年のアジア研究の学部への志願者数が全体で23%増加し、日本語やタイ語、朝鮮・韓国語、ベトナム語の授業への需要も増えている。

 2007年12月に就任したラッド首相は、高校のアジア言語プログラムに6200万豪ドル(約40億円)を投じた。2020年までに中国語、日本語、インドネシア語、朝鮮・韓国語のいずれかを流ちょうに操れる高校課程修了者の割合を12%に引き上げることを目指している。

 アンダーソン教授は「今世紀はアジアの世紀だ。オーストラリアの最大貿易相手国は中国で、最大の輸出先は日本だ」とした上で、「こういった外国語教育への投資はオーストラリアの経済、安全保障上の国益に根ざしている」と語った。(c)AFP