【12月22日 AFP】第2次世界大戦後の東京の奇跡的な経済成長を象徴する「東京タワー(Tokyo Tower)」が、23日で開業から50周年を迎える。

 東京タワーはフランスの首都パリ(Paris)のエッフェル塔(Eiffel Tower)をモデルに設計されたが航空機からも見やすいよう色はオレンジと白で塗装された。自立式の鉄塔としては世界一高い333メートルで、1958年12月23日の開業以来、毎日数千人、これまでに延べ1億5600万人が訪れ、現在も記念撮影のバックやデートスポットとして、東京で最も愛される建築物の一つだ。

 首都圏のラジオ・テレビ局の電波塔として活躍してきたが、テクノロジーは発展し、地上デジタル放送に完全移行する予定の2012年までには高さ610メートルの新タワー「東京スカイツリー(Tokyo Sky Tree)」にその役割を譲ることになっている。

 しかし、東京タワーは日本の20世紀の発展のシンボルだと考える人が多い東京の人々にとって、東京タワーが特別な存在であることに変わりはない。

 上部には2か所の大展望台を、足元には「蝋(ろう)人形館」、水族館、「ギネス世界記録博物館(Guinness World Record Museum)」が入った4階建ての付属施設「フットタウン(FootTown)」を備えた東京タワーを07年に訪れた人は330万人。来塔者は近年も着実に増えており、1日で2万人も訪れることもあるという。

 東京タワーは建設以来10年間、高さ156メートルの霞ヶ関ビル(Kasumigaseki Building)ができるまで、東京の空で肩を並べる建物がなかった。現在は都内に高さ200メートルを超えるビルが約20棟ある。しかし、これらすべてを抜き、09年開業のアラブ首長国連邦(UAE)のブルジュ・ドバイ(Burj Dubai、高さ818メートル)に次いで世界で2番目に高い自立式建築物となるのが、前述の東京スカイツリーだ。

 新タワーの登場で、収益の半分をアンテナ利用料に頼っている運営主体、日本電波塔(Nippon Television City Corp.)は大幅な減収が見込まれる。しかし、同社は東京タワーを存続させる意向だ。関係者の1人は「タワーの撤去は考えていません。100周年を目指して、あと50年がんばりますよ」と語った。(c)AFP/Shigemi Sato