【10月8日 AFP】ブラジルで7日、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)沖で立ち往生していたところを保護されたマゼラン・ペンギン31頭が船に積みこまれ、元の生息地であるアルゼンチンのパタゴニア(Patagonia)へ帰還する旅の第一歩を踏み出した。

 船は3日間かけて、まずブラジル南部のアルゼンチンとの国境沿いへ向かう。そこで1週間の休養をとり、ペンギンらの体調が整い次第、生物学者らはペンギンを海に放す。その後ペンギンらは、海流に乗ってパタゴニアまで自力で帰還することになる。

 4日には、7月にブラジルのサルヴァドール・デ・バイア(Salvador de Bahia)の浜辺に打ち上げられ衰弱したペンギン399頭が、ブラジル空軍のジェット機で3219キロ南へ輸送されていた。

 それと比較して、今回の31頭のペンギンの船旅は時間のかかる方法。「しかし、自然にかえる際に、より適応できるはずだ」と、ペンギンらが保護されているニテロイ(Niteroi)動物園の責任者Gisela Candiotto氏は語った。

 Candiotto氏によると、ペンギンらは、船旅の方が「海水のにおいをかぐことができる」という。
 
 マゼラン・ペンギンは、温暖な気候に生息するペンギンとしては最大のサイズに成長する。たいていの場合、南アメリカ南部のアルゼンチンとチリにまたがるパタゴニアで産卵する。

 マゼラン・ペンギンは、3月から11月の間、暖流を求めて北上する魚を追って例年北上する。

 しかし、今年は海流が暖かかったため、ペンギンらは例年よりも北側まで移動していた。(c)AFP