スーダンのハルファヤ(Halfaya)の自宅で、自分が醸造したお酒「アラギ」を見せるザキアさん(右)(2008年6月28日撮影)。(c)AFP/KHALED DESOUKI
【8月12日 AFP】スーダンの首都ハルツーム(Khartoum)から北に15キロのところにあるハルファヤ(Halfaya)で、イスラム教徒の女性、ザキア(Zakia)さん(23)はナツメヤシの実を発酵させた「アラギ」と呼ばれるお酒をつくって売っている。
イスラム法「シャリーア(Sharia)」が適用されている同国では、アルコールの醸造はもちろん禁止されているが、夫が家を出て行ってしまったためにザキアさんが母親、兄、7人の姉妹、めいという大家族を養わなければならない。
実際、ハルファヤでは、アラギをつくる女性は数千人にのぼる。この地には、紛争に見舞われた南部、西部、東部から逃れてきた難民たちが暮らすキャンプがひしめき合う。
コーランが禁止しているアルコールで利益を得ていることについて、「単なる商売だから」と割り切るザキアさんだが、危険な商売でもある。警察による摘発は頻繁だ。刑務所に収容されている女性の約90%は「アラギを売った」ために逮捕された人たちだという。
だが、警察はイスラム教を盾にこうした摘発を行いながらも、押収したアラギを売り飛ばして乏しい給料の穴埋めをしているとの指摘もある。見逃してもらおうと身体を提供する女性もいるという。
そうした女性たちが収容されるオムドゥルマン(Omdurman)の刑務所は、定員オーバーで、じめじめしており、衛生状態も悪い。看守の暴力も日常茶飯事だという。
女性たちが違法なアルコールを醸造する背景には、貧困と無知がある。1989年のクーデターで政府の職を失ったマグダ・アリ(Magda Ali)医師は、そうした女性たちの職業訓練を行う慈善団体「アルマナル(Al Manar)」を運営している。
アルマナルは、女性たちを教育するとともに、女性たちの起業を助けるための貸し付けも行うなどして、成果を上げている。
■アラブの文化を押しつけないで
スーダンの中央政府はアラブ系のため、イスラム法が適用され、アラブの文化が指向されている。しかし多くの国民が、自分を「アフリカ人」と見なし、アルコールの醸造と摂取が認められている部族文化に根付いている。
先のアリ医師は、「アラギはスーダンの文化であり、犯罪ではない。アルコールでもない。われわれアフリカ人は(1956年に英国から)独立以来、アラブの文化を持ったアラブの政府に統治されてきた。彼らはアフリカではないものを押しつけようとしている」と語った。(c)AFP
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