【6月22日 AFP】最も上品な味覚を持ったシェフの口から、驚きののしり声を聞くのはもうたくさんだ――荒っぽい言葉遣いで知られるオーストラリア人が、英国の著名シェフが発する汚い言葉使いに抗議の声を上げている。
 
 下品なののしり言葉が頻繁に使用される英国人シェフ、ゴードン・ラムゼイ(Gordon Ramsay)氏のテレビ番組「ラムゼイズ・キッチン・ナイトメアズ(Ramsay's Kitchen Nightmares)」への抗議の声に促され、テレビにおける下品な言葉使いの調査を実施した豪下院委員会は19日、放送基準の見直しを提言した。

 自由党(Liberal Party)のCory Bernardi下院議員は、40分間の番組の中で「Fワード(下品な言葉の意味)」が80回も使用されていたと述べ、「(Fワードとは)もちろん、フォンデュのことを指しているのではありません」と付け足した。

 豪下院の環境・通信・芸術委員会は、オーストラリアで販売されているすべてのデジタルテレビについて、保護者による視聴制限装置の搭載を業界標準にするべきだと提言した。

 委員会はまた、政府はその規制制度を再検討すべきだとし、さらに、業界は「わずか、一部、頻繁」という下品な話し方に関する区分の意味を明確にすべきだと提言した。

 Anne McEwen委員長は、調査の結果から視聴者は、ラムゼイ氏の下品な言葉使いに対してだけでなく、その使い方にも腹を立てていることが分かったと述べた。

「視聴者は、ラムゼイ氏がレストランのスタッフを攻撃的にののしるために下品な言葉を用いていることに腹を立てている」(McEwen委員長)

 2006年には、ビキニ姿のモデルが「So where the bloody hell are you?(あなたはなんてひどい所にいるの?の意)」と語りかけるオーストラリアの観光広告を英広告当局が一時的に禁止したことがオーストラリアで激しい怒りを買ったが、今回は立場が逆転したかたちとなった。(c)AFP