【5月28日 AFP】マレーシアの公立学校の制服が「セクシー」過ぎて性犯罪を誘発するとの非難をイスラム系団体から受けた問題で、同国のヒシャムディン・フセイン(Hishammuddin Hussein)教育相は、制服には責任はないと反論した。日刊紙スター(The Star)が報じた。

 ことの発端は、イスラム系学生協会National Islamic Students Association of Malaysiaが前週、白いブラウスに胸当てのついた青いスカートという公立学校の制服を、薄すぎて「男性の気を散らす」と非難したことだった。この団体は、「性的暴行やセクシャル・ハラスメント、10代での婚前交渉など」の社会悪を避けるには、イスラムの教えにのっとり「(体の線を)隠す」ことが重要だとしている。

 これに対しフセイン教育相は「わたしの知る限り、性犯罪者の主な動機は衣服ではない。もっと根本的な問題がある。性犯罪の原因として、女性や子ども、彼らの着ている衣服を責めるのは不当だ」と述べ、公立学校の生徒や制服の責任転嫁するのは間違っているとした。

 マレー系や中国系、インド系で構成される多文化国家マレーシアでは、公立学校に通う女子生徒は制服として、白いブラウスにひざ丈のスカート、または長い上着とスカートの伝統的な「バジュクルン(baju kurung)」のいずれかを選択できる。また、マレー系の生徒はヘッドスカーフの着用も認められている。(c)AFP