【4月4日 AFP】米国の第16代大統領エーブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)が、奴隷解放を求める子どもたちに宛てた書簡が3日、ニューヨーク(New York)で競売会社サザビーズ(Sotheby's)のオークションにかけられ、340万ドル(約3億5000万円)で落札された。

 この書簡は1864年、国内のすべての子どもの奴隷を解放してほしいという子どもたちからの嘆願に答えたもので、今回のオークションで一番の目玉となっていた。落札したのは匿名の米国人。落札額は、手書きの文書としては米国史上最高額となった。

 手紙には「わたしには子どもたちの望みをすべて叶える力はないが、神にはそれ(奴隷解放)を行おうというご意志がある。そのことを子どもたちに忘れないでいてほしい」などと書かれている。

 同日のオークションには、リンカーンがゲティスバーグ(Gettysburg)での演説を行った日に書いたサインも出品された。このサインは1863年7月にゲティスバーグで戦死した犠牲者の墓地の落成に寄せたもので、93万7000ドル(約9600万円)で落札された。

 一方、第3代大統領トーマス・ジェファソン(Thomas Jefferson)が、当時の大統領だったジョージ・ワシントン(George Washington)の健康を心配した手紙や、ワシントンの日記、リンカーンがサインしたそのほかの文書などは落札されなかった。(c)AFP