【3月27日 AFP】欧州の環境保護団体は26日、EU域内で販売されているワインには、ほぼ例外なく微量の農薬が含まれていると指摘した。

 オーストリア、フランス、ドイツで活動する「農薬行動ネットワーク(PAN Europe)」は、有機農法の6本を含む計40本のワインを分析。産地は、オーストラリア、オーストリア、チリ、フランス、イタリア、ドイツ、ポルトガル、南アフリカと多岐にわたる。

 その結果、有機農法以外のワインでは、農薬成分が平均4種類含まれていた。なかには10種類混入しているものもあった。

 検出された農薬成分は全部で24種にのぼり、うち5種はEUが発ガン性物質、あるいは生殖系や内分泌系に異常を起こす物質と認定しているものだった。

 有機農法のワインでは、1本にごく低レベルの農薬成分が検出された。これは化学物質を扱う近辺の生産ラインの影響を受けたものと考えられる。

 PAN Europeは、「ワインの農家の多くが、伝統的な害虫駆除のやり方を捨てて有害な合成殺虫剤に頼りつつある。こうした傾向は欧州ワインの品質に直接影響を及ぼしている」と憂慮している。

 ドイツのある国会議員は、こうした結果を踏まえ、EU加盟国は危険な農薬を全面的に禁止すべきだと発言している。(c)AFP