【11月12日 AFP】韓国・ソウル(Seoul)から南40キロに位置する水原(スウォン、Suwon)市内に11日、総工費160万ドル(約1億7000万円)の「トイレの形をした家」が完成した。

 2階建てのこの家は、世界トイレ協会(World Toilet Association)の会員で「トイレ市長」とも呼ばれる沈載徳(シム・ジェドク、Sim Jae-Duck)氏(74)が建設したもの。「清潔なトイレの世界普及」という同氏が進める運動の促進を狙いとしており、表札にも「トイレ市長の家」と書かれている。

 コンクリートとガラス張りのこの家は、もともと沈氏の自宅があった場所に建てられており、広さは419平方メートル。沈氏が創設した韓国トイレ協会(Korea Toilet association)が主催する世界トイレ協会の世界大会を目前に控え、完成した。

 家の中心にはガラスの壁のトイレがあり、中が見えて居心地が悪くならないようにミストが噴射される。人が入るとトイレのふたは自動的に開き、音楽も奏でられるという。

 家の前には小川が流れ、小さな庭園もある。この家には「Haewoojae(心配事を解決するための聖なる場所)」という名前がつけられている。

 沈氏は新しい自宅に入居する前に、1泊5万ドル(約550万円)で家を貸し出し、その収益金を開発途上国のトイレ普及に利用する考えだという。沈氏によると、世界人口のうち約26億人が衛生的なトイレを使用できる環境にないという。(c)AFP