【11月1日 AFP】ドイツ初となる葬儀専門のテレビチャンネルの開設計画が進められている。

 このチャンネルは、ドイツ人実業家Wolf Tilmann Schneider氏が考案したもので、「Etos TV」との名称になる予定。葬儀の運営に関する情報を提供するほか、死亡報道や墓地に関するドキュメンタリーなどを放映する見込みだ。

 また、2000ユーロ(約33万円)で死亡通知も行う。これは、BGMが流れ知人が思い出を語る中で、故人の写真が放映されるというもの。さらに追加料金を支払うと、故人に関する短編映画の上映も可能だという。

 クリスマスまでの開局を目指しているが、「今後も一層の資金を獲得する必要がある」とSchneider氏は語る。

 ドイツでは最近、匿名埋葬が増えているが、同テレビ局の開設はこうした傾向への対抗手段とされている。「誰もが子どもを育て、税金を納め、生きていた足跡を残している。そうした人を尊敬すべきだ。このチャンネルは、愛すべき家族の埋葬方法に関する情報を誠実さをもって提供する」と、ドイツの葬儀業者組合のKerstin Gernig氏は話す。

 文化解説者のPeter Wippermann氏は、「このチャンネルが死にまつわる現代のタブーを破るきっかけになるだろう」と述べている。「昔の人は家族に見守られて最期の時を迎えたが、現代社会では死を話題にしたいとは誰も思わない。このチャンネルは明らかに商業目的で運営されるが、社会の必要性を満たすことも可能だ」(c)AFP