【10月18日 AFP】英ロンドン(London)の繁華街Islingtonで、公衆トイレ設置業者のMike Weedon氏が、同性愛の劇作家Joe Orton氏の名前を冠した公衆トイレを作り、議論を呼んでいる。

 地元当局は「適切ではない」と批判。また、これはOrton氏に対する「侮辱」だと指摘する人もいる。

 Orton氏は「Loot」や「What the Butler Saw」、「Entertaining Mr Sloane」などの話題性のある作品で知られており、1987年に伝記映画「プリック・アップ(Prick Up Your Ears)」が製作されるほどの人気作家。一方で、英国でまだホモセクシュアルが違法だった1960年代後半に、Islingtonにある自宅やその周辺の公衆トイレで他の同性愛者たちと密会していたことでも知られている。

 Weedon氏は「Orton氏の名前の入ったプレートを公衆トイレに埋め込むことは、彼らしいと思う。同性愛者は、当時は公衆トイレでしか会えなかった。プレートを埋め込むことで、時代の変化を示すことになると思う」と語り、「現在、われわれがどれだけ自由な時代に生きているのかを示したいだけだ」と強調した。

 Islingtonの地元当局者は、この地域はパブやクラブでにぎわっている地域なので公衆トイレはもっと必要だと認めながらも、Orton氏の名前を冠するのは行きすぎだとし、「記念すべき出来事が起こったのであれば、プレートを埋め込んでもいいと思うが、この国にそんなトイレがあるのかどうか」と語っている。(c)AFP