【9月21日 AFP】子供を勉強から遠ざける最大の理由として親から敵視されてきたコンピュータゲーム機を、学校の授業で活用する動きが全国で活発化しているという。急速に進化するデジタル時代に生まれ育った子供たちの勉強意欲を高めることが狙いとされる。

 和田中学校は、補習にゲーム機を利用している学校の1つ。和田中学校の校長で元リクルートの社員のフジワラ・カズヒロさんは、「テレビと同じで、ゲームも使い方次第で役にも立つし、害にもなる」と話す。

 補習に出席するよう指導されている1年生から3年生までの26人のうち、約半数が週末の授業にやってきた。同校でボランティア教員を務めるヤマグチ・キョウコさんは、今の子供がうらやましいという。ヤマグチさんの3人の子供は、20年前にこの中学校を卒業しているが、「自分の子供が学校に行っているときには考えられなかった」と語る。

 八幡市の中学校4校では、携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を使って英単語を覚える時間を毎朝10分間設けている。「単語を同時に見て、聞いて、書くことができるのが利点だ」と同市教育課のハヤシ・ユキミツさんは話す。「ゲームだとスピーディにテンポ良く覚えることができる。これが今の子供に合っているらしい」

 DSの価格は1万7000円と、パソコンの約15分の1で、教育ツールとしても経済的だとハヤシさんは指摘する。DSを使った場合の単語習得率は40%上がっているという。(c)AFP