【6月12日 AFP】カリフォルニア(California)州「名産」のワインとITテクノロジーが、前週末に行われたチャリティ・オークションで融合した。

 ナパバレーワイン醸造業者協会(Napa Valley Vintners AssociationNVVA)は10日、ナパバレー(Napa Valley)産ワインを集めたナパバレー・ワインオークション(Napa Valley Wine Auction)を開催。全世界からの入札による収益は、約1000万米ドル(約12億円)に上った。オークションでは、同州シリコンバレー(Silicon Valley)を拠点とするIT産業の協力を得て、初めてネット上での入札を受け付けた。

 同協会のテリー・ホール(Terry Hall)広報担当によると、インターネット上での「Eオークション」を通じた入札額は、大々的な宣伝がなかったにも関わらず、約37万9000ドル(約4600万円)に達したという。オンラインによる入札額は前年比20%増だった。

 毎年恒例の同オークションのハイライトは、9日に行われた限定ライブ・オークションで、ナパバレーのセント・ヘレナ(St. Helena)市にあるカントリークラブ内の牧場にパビリオンを特設して開催された。

 タキシードやスパンコール付きドレス、ジーンズにカウボーイブーツと多彩な服装で現れた参加者たちは、入場料2500ドル(約30万円)のオークションに参加し、著名シェフの豪華ディナーと地元ワインを楽しんだ。ディナーの目玉は地元ワイン醸造所、スーターグリン・ファミリー・ヴィンヤード(Staglin Family Vineyards)がこの日のために提供した「Jeroboams」の3リットルボトルだった。

 著名なワイン醸造者、ロバート・モンダビ(Robert Mondavi)氏とともに出席したマルグリット(Margrit Mondavi)夫人は、「ワインは食べ物や芸術、家族やチャリティ活動などと同様、素晴らしい人生の一部よ」と語った。

 オークションの司会役を務めたのは、役者兼コメディアンのダナ・カーベイ(Dana Carvey)。出品されたナパバレー産ワイン20本の入札額が1万ドルの大台に乗ると、頭を左右に振って両目を動かし、「これはすごいぞ!素晴らしい!」「このワインは開けずに孫の代まで残すんだ。そうすれば孫たちは、『テントでやってたオークションで、おじいちゃんがこのワインを4万ドルで落札したんだ』って言えるよ」などと語り、笑いを誘って会場を盛り上げた。

 セキュリティ対策ソフト大手、シマンテック(Symantec)のジョン・トンプソン(John W. Thompson)会長兼CEOは、オークション最高額の110万ドル(約1億3千万円)でJeroboams3本に加え、ワイナリーオーナーたちや友人7人と行く1週間の豪華イタリア旅行を落札した。

 一方、ハイポイント・ベンチャーズ(HighpointVentures)のジョイ・クラフト(Joy Craft)社長は、カリフォルニア最高のプレミア・ワインのひとつ、スクリーミング・イーグル(Screaming Eagle)3本とワイナリーに宿泊するキャンプ旅行を50万ドル(約6100万円)で落札。

 なお、オークションの収益は、青少年関連サービスや低価格帯の住宅供給、医療サービスなどの慈善事業に寄付される。(c)AFP/Glenn Chapman