【2月5日 AFP】週20時間以上テレビを見る男性の精子数は、ほとんどテレビを見ない男性の半分しかないとする米医学チームの論文が5日、英スポーツ医学誌「British Journal of Sports Medicine」(電子版)で発表された。

 米ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)のJorge Charravo助教らの研究チームは、18~22歳の男性189人に運動や食事、テレビを見る習慣について尋ね、精液サンプルを提供してもらった。

 その結果、対象者の4分の1にあたる最もテレビ視聴時間が長いグループ(週20時間以上)は、最もテレビ視聴時間の少ないグループ(ほとんど見ないか全く見ない)と比べて精子が44%少ないことが分かった。

 またテレビ視聴時間の他、運動習慣も精子の数に大きく影響していることが分かった。軽度から激しいものまで週15時間以上、運動をしている男性は、運動時間が週5時間未満の男性よりも精子数が73%多かったのだ。

 この数十年間で精子の質が低下傾向にあることは、いくつかの国で行われた研究で示されている。原因ははっきりしていないが、科学者らは座りがちの生活によって陰嚢(いんのう)が温められ、これが精液濃度に影響しているのではないかとみている。運動不足は酸化ストレスを増やし有害な活性酸素による細胞の劣化を招く。

 運動と精子の質に関するこれまでの研究はマラソンや自転車のプロ選手などスポーツのトップ選手を対象としたものだったが、今回の研究は一般男性にも当てはまるように対象とする運動の幅を広げることができたとCharravo氏は語っている。(c)AFP