【3月15日 AFP】ネズミが賢いことはよく知られた事実だが、米国の研究チームは13日、情報を取捨選択して最適な判断を下す力において、ネズミは人間に劣らないとする研究結果を発表した。

 米コールドスプリングハーバー研究所(Cold Spring Harbor Laboratory)のチームは、餌をやりながら様々な種類の音や映像の刺激をネズミに与える実験を行い、そうした情報をネズミがどのように取捨選択し、餌をもらえる時のパターンを見つけ出すかを分析した。そして人間に対して行った同様の実験と結果を比較したところ、ネズミも人間も、統計上の「最適曲線」に従って意思決定していた。つまり、できる限り最適な道を選択するということだ。

 14日付の米専門誌「神経科学ジャーナル(Journal of Neuroscience)」に掲載された論文の主著者で神経科学者のアン・チャーチランド(Anne Churchland)氏によると、「多重的な感覚的刺激から統計的に最適な組み合わせを選ぶという行動は、人間については立証されているが、他の生物種でも同じことが起きているという可能性には懐疑的な意見が多く」、今回の実験はネズミについて初めて確認したものだ。これは、より複雑で高度な意思決定を行うために、人間とネズミが同じ進化過程をたどってきたことを示唆する発見だという。

 また今回の発見は、自閉症の研究に役立つ可能性もある。自閉症の人は感覚的刺激に関して、どれが注意を払うべき刺激で、どれが無視してよい刺激かを区別し、選択することが難しい。このために例えば、近所へ買い物に出かけることを非常に苦痛だと感じたりする。今回の研究から、多感覚的な情報を脳がどのように統合しているのかを把握し、自閉症の治療法の開発に役立てられるかもしれない。(c)AFP