【12月26日 Relaxnews】パンにバターをもう一塗りするよりも、心臓の健康のためには、チーズをひとかたまり乗せた方が良いとの研究結果が、米健康・栄養専門誌「American Journal of Clinical Nutrition」12月号に掲載された。

 研究によると、チーズは飽和脂肪酸を多く含んでいるものの、同量の脂肪をバターから摂取した場合に比べて、「悪玉コレステロール」のLDLコレステロール濃度の増加幅が小さかった。

 研究は49人の男女を対象に、通常の食事における脂肪の摂取エネルギー量の13%を、チーズまたはバターで代替する実験を行った。

 6週間後、チーズを食べたグループの方が、LDLコレステロールと、「善玉コレステロール」のHDLコレステロールともに、バターを食べたグループよりも低いレベルだった。

 また、チーズを食べたグループは、総脂肪と飽和脂肪の摂取量が少ない通常の食生活と比較しても、悪玉コレステロール値が増えていなかった。このことについて科学者らは、チーズに含まれるカルシウムにより、脂肪の排出が促進されたと結論づけた。

 だが、ハードチーズは飽和脂肪が多いことが知られ、控え目な摂取が推奨されている。

 チーズにはさまざまな製法があり、アメリカ心臓協会(American Heart AssociationAHA)によると、無脂肪や低脂肪のチーズは、コレステロールや飽和脂肪の摂取量を減らすと同時に、推奨されているカルシウム量の摂取を助けることができる。

 たとえば脱脂粉乳を混ぜたモッツアレラチーズや粉のパルメザンチーズ、低脂肪や無脂肪のカッテージチーズなどは良い選択といえる。一般的に、ハードチーズはソフトチーズよりもコレステロール含有量が多い。

 研究は、デンマーク酪農研究財団(Danish Dairy Research Foundation)とデンマーク全国酪農委員会(Denmark National Dairy Council)の支援を受け行われた。(c)Relaxnews/AFPBB News