【5月28日 AFP】スリランカ政府は26日、狂犬病の拡大防止のため、野犬を路上から保護区へと移送する計画を発表した。

 仏教徒が大半のスリランカでは、2005年以降、野犬の殺処分を禁止している。だが、保健省によると、イヌにかみつかれた人の治療のために、年間500万ドル(約4億円)がかかっているという。

 保健省当局者は、AFPの取材に「野犬を保護区に移送し、公共の場所の安全を確保したい」と語った。スリランカ中北部のアヌラーダプラ(Anuradhapura)に、同国初めての屋外保護施設を開設する予定だという。

 保健省当局者によれば、スリランカ国内のイヌ頭数は推定250万頭。スリランカの人口は約2000万人で、8人に付きイヌ1頭がいる割合になる。4年前には推定230万頭だった。

 避妊手術などを行い、野犬の増加を食い止めようとしてきたが数は増え続けており、イヌにかみつかれる人は1日平均2000~2500人に上っているという。(c)AFP