【4月24日 AFP】前年8月、チリ北部コピアポ(Copiapo)近郊のサンホセ(San Jose)鉱山で発生した落盤事故で地下に閉じ込められ、69日後に救出された33人の作業員の1人ヨニ・バリオス(Yonni Barrios)さん(51)が、鉱山作業員に多い珪(けい)肺症にかかっていることが明らかになった。バリオスさんが現地紙ラス・ウルティマス・ノティシアス(Las Ultimas Noticias)に語った。

 バリオスさんは、チリの労働安全当局が行った健康診断で病気が分かったと述べるとともに、「珪肺症は私ぐらいの年齢で見つかることが多い。進行性の病気なので、このまま定年を迎えられるか、それとも死んでしまうのか分からない」と語った。

 30年の経験がある鉱山作業員のバリオスさんは基本的な医療の知識も持っていたため、8月5日の事故発生から10月13日に救出されるまで、仲間たちの健康状態を記録し、時には予防注射をするなど看護師のような役割を果たしていた。妻と愛人が現れたことでも話題になった。

 珪肺症は鉱山で長期間にわたって結晶シリカのちりに暴露されることで発症する肺の病気。吸い込んだちりが肺にたまって呼吸が困難になる。病状がどの程度重くなるかは肺が受けた損傷によって異なる。救出直後の健康診断で、マリオ・ゴメス(Mario Gomez)さんとマリオ・セプルベダ(Mario Sepulveda)さんも珪肺症にかかっていたことが分かっている。(c)AFP