【6月25日 AFP】南アフリカ・東ケープ(Eastern Cape)州の保健当局は24日、この地方の伝統的な「成人式」で行われる割礼(包皮切除)の失敗により、この冬だけで33人の少年が死亡したと発表した。南ア通信(SAPA)が報じた。

 地元保健当局者のシズウェ・クペロ(Sizwe Kupelo)氏によると、最新の死者が出たのはモエニ(Moyeni)村。割礼が行われたのは前週で、当局は感染症予防の目的で現地を視察していたが、そのとき村人たちは具合が悪くなった少年たちを隠し、24日朝に少年1人が死亡してからようやく当局に連絡してきたという。  

 割礼の失敗で病院に搬送された少年らは十数人に上り、ペニスが壊死して切除せざるを得なかったケースも2例あったという。

 こうした事態に同州の一部地域では前週、長老たちが割礼の一時停止を宣言していた。

 東ケープ州など南アの一部地域では、現在でも、少年たちをやぶの中に隔離して大人になるための割礼を施す伝統儀式が行われており、つたない割礼師による失敗が招く合併症で毎年多数の少年たちが命を落としている。

 治癒が早く、痛みも少ない病院での割礼を選ぶと、生涯にわたって後ろ指を差される原因になるため、少年たちは今でも昔ながらの割礼儀式を受けたがるという。(c)AFP

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