【10月29日 AFP】食物繊維がぎっしり詰まった食べ物には、ぜんそく、糖尿病、関節炎を寄せ付けないようにするためのカギが握られている可能性があるとする論文が、29日の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された。

 論文を執筆したシドニー(Sydney)のガーバン医学研究所(Garvan Institute of Medical Research)によると、食物繊維はお通じを規則正しくしてくれるだけではない。免疫系の働きを高め、炎症性疾患の抑制に力を発揮するという。

 ドライフルーツや豆など、食物繊維が豊富な食べ物が腸に到達すると、バクテリアがこれらを低級脂肪酸と呼ばれる化合物に変換する。低級脂肪酸は、腸内で一部の炎症性疾患を和らげてくれることで知られる。

 同研究所のチームは、オーストラリア・米国・ブラジルの科学者らとの共同作業により、これらの関係性をさらに詳細に明らかにすることができた。免疫細胞に使用され、低級脂肪酸を束ねる役割があることが知られている分子にも、抗炎症性があることがわかったのだ。

 研究は、食物繊維を腸内の微生物に関連づけて免疫反応を生じさせる仕組みを分子レベルで説明した点で、重要だという。

 研究は、食生活が免疫反応または炎症性疾患に対して多大な影響を及ぼす可能性があることを示していると、同研究所のチャールズ・マッケイ(Charles Mackay)教授は指摘する。

「西洋のライフスタイルに関連した食生活の変化が、ぜん息や1型糖尿病などの自己免疫疾患の増加を招いていると考えられる」(マッケイ教授)。(c)AFP