【7月12日 AFP】カロリー摂取を制限すると寿命が長くなり、加齢にともなうがんなどの疾病の発症率が低減するとの研究結果が、9日の専門誌「サイエンス(Science)」に掲載された。

 研究は、米ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)のリチャード・ウェインドリッヒ(Richard Weindruch)教授率いる研究チームがアカゲザル数十匹を対象に20年にわたり実施したもの。米国国立加齢研究所(National Institute on Aging)が資金援助をしている。

 研究チームはカロリー摂取を制限したサルで延命効果が認められたことから、人間にも同様のことが起こりうるとみている。「霊長類がカロリーを制限した場合、加齢速度を遅らせることが可能だと、この実験で証明できた」とウェインドリッヒ教授は述べている。
 
 実験の結果、餌のカロリーを減らしたサルのグループは、好きなだけ餌を食べられるようにしたサルのグループと比べ、がん性腫瘍や心疾患の発生率が半分以下になった。さらに、一般的にサルは糖尿病を発症することが多いが、餌のカロリーを減らしたグループでは糖尿病を発症したサルは1匹もいなかったという。

 カロリー制限による延命効果は1930年代から指摘され始め、これまでにラットをはじめクモから人間にいたるまでさまざまな動物を対象に研究が行われている。(c)AFP