【6月10日 AFP】世界保健機関(World Health Organization WHO)のケイジ・フクダ(Keiji Fukuda)事務局長補代理は9日、新型インフルエンザ「インフルエンザA(H1N1)」の現在の状況ついて、世界的大流行に「極めて近い」との見解を示した。

 フクダ事務局長補代理はオーストラリアで地域内での感染が起こっていることに触れ、世界的大流行に非常に近い状態にあると指摘。世界的大流行が宣言された場合の各国への支援に照準を絞っていると述べた。

 WHOはこれまでのところ、6段階ある警戒水準を世界的大流行の一歩手前の状態を示す「フェーズ5」に保っている。

 WHOのガイドラインでは、もともとの発生地域(今回の場合は南北米大陸)以外で、地域内での感染拡大が確認されることが「フェーズ6」へ引き上げる一つの重要な基準とされている。

 オーストラリアでは1211人の新型インフルエンザ感染者が確認されており、ビクトリア(Victoria)州では地域内での感染拡大が激しいという。

 ただ、オーストラリアの状況がフェーズ引き上げに値するかについては、フクダ事務局長補代理は「世界的大流行に極めて近づいている」と表現するにとどめた。(c)AFP