【1月29日 AFP】米国で前年9月以降、サルモネラ菌による食中毒の被害が拡大している問題で、米疾患対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)は28日、感染源とみられるピーナツバター製造工場の立ち入り検査を実施した。

 検査が行われたのは、クッキー、クラッカー、シリアル、キャンディー、アイスクリームなど菓子原料用のピーナツバターを製造するピーナツ・コーポレーション・オブ・アメリカ(Peanut Corporation of AmericaPCA)のジョージア(Georgia)州ブレイクリー(Blakely)の工場で、製品貯蔵室の壁や天井から大量のカビが検出されたという。さらに、包装済み製品用の運搬ケースや荷台からもサルモネラ菌が検出された。工場の天井に最大76センチの亀裂があるのも見つかったという。

 CDCによると、前年9月1日から今年の1月9日までに、全米43州で501人がサルモネラ菌に感染。隣国カナダでも1人の体調不良例が報告されている。また、CDCは8人がサルモネラ感染が原因で死亡したとみている。CDCは食品医薬品局(Food and Drug AdministrationFDA)と同問題を共同で調査している。

 FDAによると、これらの感染者および死亡者は、PCAのブレイクリー工場で製造されたピーナツバターを使用した食品を食べた後に体調を崩している。サルモネラ菌に汚染されたPCAのピーナツバターの納品先は70以上で、汚染ピーナツバターを原料に用いた食品は数百種類に上るとみられる。 

 PCAは2007年6月から2008年9月に行った自主検査で、12回、サルモネラ菌を検出していながら、製品の出荷を続けていたという。(c)AFP