【11月5日 AFP】食事の摂取カロリーを制限すると体力が増し、寿命が30%以上伸びることが動物実験の結果、明らかになった。これに触発された米国のカロリー制限協会(Calorie Restriction Society)のメンバーたちは、老化予防のための低カロリー食を心がけているという。

 ノースカロライナ州に住む協会員のボブさんは、「長生きや加齢にともなう病気の予防のために低カロリー食を続けている人もいれば、糖尿病、高コレステロール、動脈血栓といった持病の症状を和らげるために続けている人もいる」と話す。

 肥満に関連した疾患が世界中にまん延するなか、この10年の間に、食物と健康の関連性が注目を集めている。

 フロリダ大学(University of Florida)医学部のChristiaan Leeuwenburgh教授は、「先進国では、人口の90%が、カロリーの必要摂取量を平均で約50%も上回っている可能性がある。摂取量を半分に減らしても、エネルギーの摂取量と消費量の最適なバランスの最低ラインは保たれる」と話す。

 このバランスを保つと、2型糖尿病、心疾患、がんの予防に効果的という科学的データは多い。さらにこの最低ラインから10-20%減らしても、栄養摂取量は減らさなければ、カロリー摂取量を健康面にプラスアルファの利点があることが、動物と人体の実験で明らかになっている。

 ワシントン大学(Washington University)のLuigi Fontana教授は、低カロリー食が人体に及ぼす長期的な影響を調べるため、成人約50人に10年以上低カロリー食を続けてもらう実験を行った。その結果、被験者の大半は中年だったが、心臓血管は10代なみにまで若返り、血圧、コレステロール、血糖値、インスリン値はすべて低くなり、善玉コレステロール値は高いままだったことがわかった。糖尿病やがんになるリスクも下がったという。(c)AFP/Marlowe Hood