【10月28日 AFP】香港(Hong Kong)当局が中国食品大手「大連韓偉グループ(Hanwei Group)」生産の卵からメラミンが検出されたと発表したことを受け、米小売り大手ウォルマート・ ストアーズ(Wal-Mart Stores)は28日、同グループが生産した卵を中国内の店舗から回収したと発表した。

 メラミンに関連して、中国本土での大規模な卵の回収はウォルマートが初めてだが、同社の広報担当者は、予防措置であって韓偉グループが生産した卵の汚染はまだ確認されていないと強調した。仏カルフール(Carrefour)など、ウォルマート以外の大手スーパーチェーンは、そうした回収はこれまで行っていないとしている。

 通常はプラスチック製造時に使用される工業用化学物質であるメラミンが、ミルクに続き卵からも検出されたことから、中国では家畜用飼料にメラミンが混ぜられていた可能性が疑われており、さらに広範囲の食品汚染が懸念されている。

 国連食糧農業機関(UN Food and Agriculture OrganisationFAO)のプログラム・オフィサー、Zhang Zhongjun氏は、農場で飼育された家畜や養殖魚など広範囲の食品にメラミンが混入している恐れがあると警告した。

 香港当局ではすでに、メラミン検査を中国本土からの豚肉、養殖魚、内臓肉にも拡大して実施すると発表している。(c)AFP/Robert J. Saiget