【6月27日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は26日、安全な水を利用できないことが原因で全世界の病気の10件に1件が発生し、死亡原因のうちの6%を占めているとの報告書を発表した。

 WHOは、全世界で1年間に確認された全病気のうち9.1%が、水に関連して発生しているとの推計を発表。その影響が、世界の最貧国に偏っているという点を重視した報告書を発表した。

 報告書を作成したAnnette Pruss-Ustun氏は記者会見で、「(安全な水を利用できないことの)影響を最も受けている35か国では、水と下水設備、公衆衛生の改善で病気の15%を容易に防止することが可能」と述べた。

 先進国では、安全な水を利用できないことが原因による死亡は、全死亡の1%にとどまっている。一方、発展途上国では、その数値は平均約8%にまで上昇する。アンゴラの24%など、極端な地域もある。

 マラリアやデング熱といった病気や下痢は、水を媒介として広まることが知られている。

 この問題は、とりわけ子どもたちにとって脅威となっている。14歳以下の病気の22%、死亡の25%が安全な水を利用できないことが原因であるとされている。

 Pruss-Ustun氏は、各国政府による発展途上国への投資がひとつの解決策になるとした。Pruss-Ustun氏によると、1ドルの投資を行うごとに、医療用貯蓄と生産性において8ドル分の付加的な効果がもたらされるという。(c)AFP