【8月30日 AFP】オーストラリアで馬インフルエンザの感染が拡大している。ニューサウスウェールズ(New South Wales)州で30日、新たに8頭の感染が確認された。

 今回感染が確認されたのは、シドニーにあるロイヤルランドウィック(Royal Randwick)競馬場附属のアンソニー・カミングス(Anthony Cummings)調教師のきゅう舎で飼育されている10頭のうち8頭。当初、馬インフルエンザはレクリエーション用の馬にのみ感染が認められていた。 

 同州のイアン・マクドナルド(Ian Macdonald)第一次産業相によると、ランドウィック競馬場では、感染を食い止めるため、30日間検疫が行われることになるという。
 
 また同産業相は、ランドウィック内のきゅう舎では約700頭が飼育されているが、施設内の感染はすぐに拡大すると予測している。
 
 前週にオーストラリアで初めて馬インフルエンザが確認されて以来、全国ですべての馬の移動と競馬が禁止され、競馬業界は大打撃を受けている。数十億ドルの収益を誇る競馬業界は機能を失っていたが、今回の検査結果は同業界が恐れていた最悪のケースとなり追い打ちをかける形となった。

 当局は現在、ビクトリア(Victoria)州への感染拡大防止を中心に対策を行っている。同州は11月に開催されるメルボルンカップ(Melbourne Cup)など、大規模な競馬の開催地として有名。(c)AFP