【7月12日 AFP】農業省の関係者は11日、前週末に高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)のため死亡した6歳の男児について、家禽(かきん)との明白な接触はなかったことが判明したと発表した。

 農業省関係者は、首都ジャカルタ(Jakarta)の直ぐ西、バンテン州(Banten)チレゴン(Cilegon)にある男児の自宅の半径300メートル以内で、H5N1ウィルスに感染した家禽は発見されなかったと発表した。

 同関係者はAFPに対し「H5N1ウィルスは感染するのに家禽などに『付着』する必要があり、空気中を自由に移動することはできないため、男児が感染した経路について、インドネシアの医療関係者はいまだに困惑している」と語った。

 また、男児がほかの人間から感染した可能性について質問された同関係者は、現段階ではまだ結論は言えないが、国連(UN)の保健および農業機関による調査が進行中だと語った。

 男児が死亡したジャカルタのスリアンティ・サロソ(Sulianti Saroso)病院のSardikin Giriputro副院長は10日、AFPの取材に対し、症状が現れる4日前にこの男児がバンテン州内にある動物園の近くに住む男児の親戚を訪れていたことを明らかにしている。

 H5N1ウィルスについては、人間から人間へ簡単に感染する別の種に突然変異し、数百万人の犠牲者を出す世界規模の流行を引き起こす可能性が懸念されている。(c)AFP