【5月22日 AFP】ベトナムの家畜衛生当局は22日、国内で高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)の被害が前週から再び拡大していると発表した。新たに6件の症例が確認され、予防接種を施されていないアヒル2000匹が死亡したという。

 当局がウェブサイト上で発表した報告書によると、被害地域は北部山岳地帯にあるソンラ省(Son La)から、南部メコンデルタ(Mekong Delta)省のカントー(Can Tho)まで広範囲にわたり、同地域にあるアヒル飼育場では合計6000匹以上が処分された。

 国連食糧農業機関(FAO)の代表者、アンドリュー・スピーディ(Andrew Speedy)氏は、「再発は不運な出来事だったが、鳥インフルエンザは今後も発生し続けるだろう」として、今回の再発は予想されていたことだと指摘。

 さらに、「鳥インフルエンザ感染は極めて深刻な状況となっており、将来的な予防策として、ワクチンの接種が必要だと見ている」と語っている。

 同氏によると、現在鳥インフルエンザは全国のアヒル飼育場に広まっていると見られており、当局は今後の対策として、鳥インフルエンザの撲滅活動より、予防接種の実施に重点を置くもよう。

 アヒル飼育場での感染の発生はほかに、北部のクワンニン(Quang Ninh)省、ナムデイン(Nam Dinh)省でも報告されている。また、5月上旬に感染症例が報告された中部ゲーアン(Nghe An)省でも、現在、鳥インフルエンザの被害が拡大しているという。(c)AFP