【北京 30日 AFP】国営新華社通信(Xinhua)が29日に報じたところによると、南西部の雲南省(Yunnan)で食中毒が発生し、牛肉を食べた7歳の少年1人が死亡、55人が体調不良を訴えたという。

 被害者は全員がZhadian村の住民で、26日に亜硝酸塩が入った牛肉の煮込み料理を食べていた。

 亜硝酸塩は、ごく少量であれば食品添加物として使用が可能。ただし大量摂取は人体に有害で、頭痛、嘔吐(おうと)などの症状を伴い、重症の場合は意識不明になったり、死に至るケースもある。

 新華社通信は、煮込み料理を販売していた屋台の店主が調理中に食塩を切らしたため、とっさに「塩に似たもの」として代用したと伝えた。この煮込み料理を調べたところ、肉1キロあたり12グラム以上の亜硝酸塩が検出された。この量は致死量の4倍に相当する。

 中国では食中毒の報告が相次いでおり、多くの場合は衛生状態や安全基準の低さが問題とされている。4月上旬には、北東部の黒竜江省(Heilongjiang)の病院で入院患者203人が食中毒となり、1人が死亡している。当局は毒物が故意に混入されたものと断定している。

 写真は、北京のバイオセーフティ研究所で、安全性の検査に回される食品サンプル。(c)AFP/TEH ENG KOON