【5月15日 AFP】イタリア・ローマ(Rome)の遺跡「コロッセオ(Colosseum)」で9日にしっくいの壁の一部が崩落する事故が発生したことを受けて、同遺跡の監督責任者は12日、「コロッセオには修復工事よりも定期的なメンテナンスが必要」との見解を示した。

 9日早朝、円形闘技場の回廊でしっくいの壁が崩落する事故が発生したが、負傷者はでなかった。

 事故を受け、ローマなどの遺跡を監督するロベルト・チェッキ(Roberto Cecchi)氏は記者団に対し、大規模な修復作業プロジェクトよりも「メンテナンスが必要」と述べ、修復費用の5~8%を定期的な状態の監視にまわすべきだと提案した。

 チェッキ氏は、「メンテナンスは知識と愛情の行為、愛の行為だ」と語り、コロッセオ内部の書店とトイレを建造物の外部に移設することや、来場者数を現在のレベルに抑えることもあわせて提案した。

 ローマ市当局とイタリア文化省は現在、チェッキ氏のチームが実施するコロッセオ修復作業にかかる2200万ユーロ(約25億円)の費用を支援するスポンサーを探している。

 コロッセオは、西暦80年にローマ皇帝ティトゥス(Titus)治世下で建造され、剣闘士の戦いなどさまざまな催しに使用された。(c)AFP