【12月14日 AFP】米国のシカゴ美術館(Art Institute of Chicago)に10年にわたり展示されていたフランス人芸術家ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin)のセラミック彫刻が贋作であることが12日明らかになった。

The Faun(ファウヌス)」と題されたこの彫刻は、1994年に英国ロンドン(London)のコレクターがサザビーズ(Sotheby's)主催のオークションで落札し、1997年に同美術館がこのコレクターから購入したもの。

 贋作であることを発表した同美術館の広報担当は、購入金額は明らかにせず、「とても落胆している。一方で、作品はもちろん、出処や過去の所有者を証明するすべての書類の見事な偽造ぶりに感心もしている」と驚きをあらわにした。

 贋作の制作者はショーン・グリーンハル(Shaun Greenhalgh、47)で、前月、英国マンチェスター(Manchester)の裁判所で4年8月の刑を言い渡されている。

 同受刑者は両親とともに、英国北西部ボルトン(Bolton)の自宅で1989年から贋作作りにかかわってきた。同受刑者が制作、父親が販売を担当していたという。

 一家はこれまでに2000万ドル(約22億4000万円)相当分、合計120点の贋作を制作したが、利益は120万ドル(約1億3000万円)に満たないという。両親も有罪が確定しており、母親にはすでに執行猶予付き12月の禁固刑が言い渡され、父親にも追って判決が下される。(c)AFP