【10月4日 AFP】いて(射手)座にある球状星団「M22」の中心部に2つのブラックホールが存在している証拠を発見したと、国際研究チームが3日、英科学誌ネイチャー(Nature)で発表した。

 これまで1つの球状星団には、2つ以上のブラックホールは存在できないと考えられてきたが、この定説を覆す発見だと研究チームは驚いている。

 論文の共著者、電波天文学研究国際センター(International Centre for Radio Astronomy Research)のジェームズ・ミラー・ジョーンズ(James Miller-Jones)氏は「球状星団の中心部でわれわれが探していたのは巨大な1つのブラックホールだが、代わりに中心から少し外れたところで、より小規模のブラックホール2個を発見した。非常に驚きだ。すべての学説やシミュレーションを見直す必要がある」と語った。

 地球から1万光年離れたM22の中心部にある2つのブラックホールは、それぞれ太陽の10~20倍の質量を持つとみられる。ミラー・ジョーンズ氏はさらに「M22には100個のブラックホールが存在する可能性もある」と述べている。

 約100万個の星が集まっているとされる球状集団の年齢は平均して約100億年。銀河系には数十の球状星団があるとされる。(c)AFP