【9月27日 AFP】物理学者アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)の業績は物理学を学ぶ人に今も感銘を与えているが、いまやその業績を生み出した伝説的な脳の内部さえ見ることができるようになった。

 アインシュタインが1955年に動脈瘤で亡くなった際、その脳は米ニュージャージー(New Jersey)州プリンストン(Princeton)の病院で検死を行った病理学者のトーマス・ハービー(Thomas Harvey)氏が研究のために取り出した。

 ハービー氏はアインシュタインの脳を葉(よう)と脳幹の約170に分類した上で、数百の顕微鏡用切片に切り分けた。さらにこれらの切片を顕微鏡のスライドガラスに載せ、細胞組織や神経組織を観察しやすくするため染色処理してプレパラートを作った。

 プレパラートのコレクションはハービー氏の遺族によって2010年、米メリーランド(Maryland)州シルバースプリング(Silver Spring)にある米国防総省所管の国立保健医学博物館(National Museum of Health and MedicineNMHM)に寄贈された。

 今年の春、NMHMがシカゴ(Chicago)に持つ分館「NMHMシカゴ(NMHM Chicago)」が民間の資金を得てコレクションのデジタル化に着手し、これまでに作業が終わった分についてiPadのアプリで閲覧可能になった。アプリの売り上げはNMHMとNMHMシカゴの運営に使われるという。(c)AFP