【6月25日 AFP】中国の有人宇宙船「神舟9号(Shenzhou-9)」は24日、地球の軌道上を周回する実験用モジュール「天宮1号(Tiangong-1)」と、宇宙飛行士の手動操作によるドッキングに成功した。

 中国初の女性飛行士を含む3人を乗せて16日に打ち上げられた神舟9号は18日、自動操縦によるドッキングに成功したばかり。初の手動ドッキングにも成功したことで、2020年までに宇宙ステーションを建設するという目標に向けて中国の宇宙開発計画は大きく前進したことになる。

 中国有人宇宙プロジェクトの武平(Wu Ping)報道官は記者会見で、「大躍進だ。正確で完璧なドッキングだった」と成功をたたえた。また、手動ドッキングの様子を伝えた国営メディアは、経験豊富な劉旺(Liu Wang)飛行士の巧みなレバー操作を「針に糸を通すよう」と評した。

 手動ドッキングは有人宇宙ステーション建設にあたって必須の技術で、今回の13日間に及ぶ「神舟9号」ミッションの最大の目的だった。

 中国政府にとって宇宙開発計画は、世界的な地位を確立し高い技術力を誇示する象徴であると同時に、かつて貧しかった国を見事に立て直した共産党の成功の証でもある。米国が宇宙開発費を削減する中、武報道官によると中国が神舟7~10号ミッションにつぎ込んだ資金は190億元(約2400億円)に上る。(c)AFP/Bill Savadove