【6月22日 AFP】ドイツの古生物学者チームが、4700万年前に交尾中に死んだカメのつがい9組の化石を発見した。20日の英国王立協会(British Royal Society)の専門誌バイオロジー・レターズ(Biology Letters)に研究論文が掲載された。

 論文の主執筆者ウォルター・ジョイス(Walter Joyce)氏はAFPに対し、「毎年数え切れない動物が生まれては死んでいく中で、思わぬ形で化石となるものも多い」としながら、「交尾中の姿で化石になるものは非常に珍しく、2匹が同時に死ぬ確率は非常に低い。そのまま保存される確率はさらに低い」と続けた。交尾中の脊椎動物の化石が見つかったのはこれが初めて。

 化石は、ドイツのダルムシュタット(Darmstadt)とフランクフルト(Frankfurt)の間にあるメッセル・ピット(Messel Pit)化石地域で発見された。同地域にかつて存在したメッセル湖(Messel Lake)には、カメが繁殖活動をする環境が整っていたと発掘チームは考えている。

 研究チームは化石となった9組について、交尾のために互いの体を密着させているうちに毒性のある深い水深へと沈み、火山活動により発生した有毒物質が皮膚から吸収されたことから死に至ったと推測している。(c)AFP