【1月11日 AFP】衛星や探査機の打ち上げ失敗が相次ぎ、苦境に立たされているロシア宇宙庁(Roskosmos、ロスコスモス)のウラジーミル・ポポフキン(Vladimir Popovkin)長官は10日、外国の勢力が故意に妨害している可能性があるとの持論を展開した。

 長官は日刊紙イズベスチヤ(Izvestia)に対し、打ち上げはどういうわけか、ロシアのレーダーからは見えない地域で不首尾に終わると疑問を提示し、自説を唱えた。

「打ち上げ失敗がなぜ、たびたび、ロシアからは交信不可能な地球の『ダーク』サイドで起きるのかは分からない」

「誰かのせいにしたくはないが、今日では、打ち上げを失敗させる非常に強力な対抗手段が登場している。そういう手段がとられた可能性は排除できない」

■長官就任後、打ち上げ失敗が倍増

 ポポフキン氏は、航行衛星3基の打ち上げ失敗後に前長官が解任されたのを受け、昨年4月に長官に就任した。

 だが、打ち上げの失敗は増える一方だ。主なものでは、昨年8月、国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を運搬する無人宇宙貨物船「プログレス(Progress)」の打ち上げが初めて失敗。同11月には火星探査機「フォボス・グルント(Phobos-Grunt)」が打ち上げられるも地球低軌道で立ち往生しており、15日にも地球に落下するとみられている。

 先月には、通信衛星「メリディアン(Meridian)」の打ち上げに失敗し、破片がシベリア地方のノボシビルスク(Novosibirsk)州にある「宇宙飛行士通り」の民家を直撃。屋根に大きな穴が開いた。けが人はいなかった。(c)AFP

【関連記事】
◆打ち上げ失敗のロシア火星探査機、15日に地球落下か
◆イブの夜空をサンタが駆けた?欧州北部で「光の玉」目撃相次ぐ
◆ロシア宇宙庁、スタッフに「外国旅行禁止令」