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ミツバチを「ゾンビ」に変える寄生バエ発見、米研究

  • 2012年01月05日 17:27 発信地:ワシントンD.C./米国
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ルーマニア、ロシア・モンタナ(Rosia Montana)村で撮影された花にとまるミツバチ(2011年9月18日撮影)。(c)AFP/DANIEL MIHAILESCU

【1月5日 AFP】ミツバチに寄生し、「ゾンビ」のような行動をとらせてから死に至らしめるハエを発見したという米国の研究論文が、今週の米科学誌「プロスワン(Public Library of SciencePLoS ONE)」に発表された。「蜂群崩壊症候群」と呼ばれるミツバチのコロニー崩壊の原因を知る手がかりになる可能性がある。

 サンフランシスコ州立大学(San Francisco State University)のジョン・ハファーニック(John Hafernik)教授(生物学)が率いた研究チームによると、今のところこの寄生バエが見つかったのは米カリフォルニア(California)州とサウスダコタ(South Dakota)州に限られているが、増えていることが分かれば北米全体のミツバチ・コロニーの脅威として浮上するかもしれないという。

 この寄生バエの発見は偶然だった。ハーファニック教授はある日、研究用のカマキリの餌として、研究棟の外の照明の下にいたミツバチを研究室に持ち帰ったが、「ハチの入った小瓶をうっかりデスクに放置して忘れてしまった。次に小瓶を見た時には、ミツバチの体をハエのさなぎがびっしりと取り囲んでいた」

 まもなく小瓶のなかのハチは死に始めたが、普通の死に方ではなく、座り込んで体を丸め、縮こまるような姿勢で死んでいった。途中、ハチはどうにかして体を伸ばそうと、脚をばたつかせてもがいていたが、力が入らない様子だった。論文の主著者で教授の研究室に所属する大学院生、アンドリュー・コア(Andrew Core)氏はこう説明する。「ハチたちは体を広げようとしては倒れこんでいた。まさしくゾンビのような動きだった」

■ハチなのに明かりのまわりに…

 さらに研究を進めた結果、夜間に巣から離れていたミツバチほどこのハエに寄生されやすいことが分かった。寄生されたハチは自分のコロニーを捨て、明かりの近くに集まった。ハチとしては非常に異常な行動だ。方向感覚を失い、連なって円を描くように歩き続ける集団も観察された。

「Apocephalus borealis」という種類だと同定されたこのハエは、ミツバチの腹部に卵を産み付ける。ミツバチが死んでから約1週間後、通常はミツバチの頭と胴体の間から、ハエの幼虫が出てくる。

 研究チームはさらに、寄生される場所や、「ゾンビ化」したミツバチが自分から巣を離れるのか、それとも異常を感知した他のハチたちによって追い出されるのかなどを突き止めたいとしている。

 2006年以降、米国、欧州、日本など世界各地でミツバチが大量死する現象がみられている。専門家の間では原因はひとつではないと考えられており、寄生虫やウイルス、バクテリアの感染、殺虫剤、人間が環境を破壊したことによる栄養不足などが挙げられている。ミツバチの減少は、ミツバチによる受粉を頼りにしている農作物の生産に数百億ドル規模の損害を与えている。(c)AFP

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