【8月19日 AFP】米海洋大気局(NOAA)は17日、1992年と2009年の地球の夜間の明るさの比較をビジュアル化した衛星写真を公開した。白い部分は17年間で変化がなかった地域、黄色は照明が増加した地域、紫色は照明が減少した地域だ。

 米国(上段)では、この17年間、国内総生産(GDP)や人口の増加にも関わらず、夜間の明るさには、ほとんど変化がなかったことが分かる。近年、米国などの先進国では、経済発展によるエネルギー需要が増すなかで照明効率が改善されていることから、宇宙まで届く光の量は限定的になっていると考えられる。

 米北東部や五大湖周辺などの郊外地域では、人口減に伴い夜間の明かりも減少。対照的に南部の明かりは17年間で増加している。

   最も激しい変化が見られたのは、東欧と旧ソ連邦の国々だ。1991年12月のソ連解体以降、東欧から西ヨーロッパへと多くの人口が流出した。1992年を比較の基本年としたNOAAの衛星写真の欧州大陸部(中段)では、この地域のソ連解体後の東から西への人の移動と都市化が、はっきりと見て取れる。

 エネルギー利用の大きな変化は、アジア(下段)でも見られる。中でもインドと中国には、明かりの増加を示す黄色い地域がが多く見られる。1992年から2009年の17年で、中国の照明使用は2倍に、GDPは4倍に増えている。

 一方、アジアで明かりが減少した地域のほとんどは、海上油田や漁業関連の洋上の明かりだ。(c)AFP/NOAA