【1月14日 AFP】南米アルゼンチンで、約2億3000万年前の地層から新種恐竜の化石が発見された。米シカゴ大(University of Chicago)とアルゼンチンの共同研究チームが13日、米科学誌サイエンス(Science)に発表した。発見は、ティラノサウルス・レックス(T・レックス)など肉食恐竜(獣脚類)の進化に関して、手掛かりを与えるものだという。

 2体分のほぼ完全な状態の化石は、同国北西部イスチグアラスト(Ischigualasto)の岩場で見つかった。全長約1メートルほどで、体重は推定4.5~7キロ。首と尾が長く、とがったあごと鋭い歯を持っていた。2足歩行をしていたと考えられ、「夜明け(黎明期)の走者」を意味する「エオドロマエウス(Eodromaeus)」と名付けられた。

 同時代に生息し、2足歩行で大きさもほぼ同じのエオラプトル(Eoraptor)の化石と比較した結果、エオラプトルは異なる種であることがわかった。エオドロマエウスは、頭蓋骨などの特徴から獣脚類の祖先と見られるが、エオラプトルは鼻孔や下歯の特徴などから、首が長く4つ足の草食恐竜(竜脚類)に分類された。

 両者がほぼ同じ体格で2足歩行をしていたという事実は、三畳紀(約2億5000万年~2億年前)後期に生息していた3種類の恐竜(鳥盤類、竜脚類、獣脚類)の体の特徴がほぼ共通していたことを示唆している。

 論文は、「この地域で発掘された数々の化石の分析から、原始の恐竜は、似通った外見を持ち、これまで考えられていたよりも多様であったことが浮き彫りになった」と述べている。(c)AFP