【12月2日 AFP】米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)などの研究チームは1日、スーパーアース(巨大地球型惑星)の大気の分析に初めて成功したと発表した。生命体が存在する可能性のある系外惑星の探索において、大きな前進だとしている。

 今回分析したのは、前年発見された地球から約42光年離れた「GJ 1214b」で、半径は地球の約2.6倍。これまで見つかったスーパーアースと比較するとはるかに小型で、表面温度も低い。ほのかに光る小型の恒星を公転していることから、惑星が恒星の前を通過する際の光を分析することで、大気に関するデータを容易に集めることができた。

 光のどの波長が吸収されるかで、大気の化学組成と地表の天候を推測できる。

 研究チームは、チリにある欧州南天天文台(European Southern ObservatoryESO)の大型望遠鏡を使用。「GJ 1214b」の大気の組成について、可能性を2つに絞りこむことに成功した。

 1つ目は、表面が水に覆われているという可能性。恒星との距離が近いため、水蒸気になっているかもしれないという。2つ目は、表面が岩石で、主に水素からなる大気で覆われ、上空の高いところに雲か靄(もや)がかかっている可能性だ。いずれの場合も、生命体が存在する可能性は極めて低いという。

 研究を率いたヤコブ・ビーン(Jacob Bean)教授は、「大気の組成について確実なことはまだ言えないが、水蒸気か靄に包まれているという可能性にまで絞り込めたことは、刺激的な前進だ」と話している。(c)AFP/Marlowe Hood

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