【11月5日 AFP】ネアンデルタール人というと、額が狭く、口が開いていて、天気のよい日には重たいこん棒を振り回して歩いているイメージがあるかもしれない。しかし、彼らはある点でわたしたち現代人より優れていたようだ――セックスのパートナーの数という点で。

 英リバプール大学(Liverpool University)のエマ・ネルソン(Emma Nelson)氏率いる研究チームが行ったこの風変わりな調査は、ヒト亜科の指の長さと「不特定多数との性行為」に関連があるかもしれない、というもの。

 同氏らのこれまでの研究では、胎内で浴びるアンドロゲンの量によって、指の長さと生まれた後の行動が決まると結論づけられている。多量のアンドロゲンを浴びると薬指が長くなり、薬指と人差し指の長さの比率(2D:4D比)が低くなるという。また、アンドロゲン量は競争力や複数との性行為とも関係があるという。

 今回、研究チームは、ヒト亜科のアルディピテクス・ラミダス(440万年前)、アウストラロピテクス・アファレンシス(300~400万年前)、ネアンデルタール人(2万8000年前に絶滅)、そして解剖学上は現在の人間と同じ9万年前のホモ・サピエンスの化石について、この2D:4D比を分析した。

 研究の結果は?

 ――2D:4D比の低いアルディピテクス・ラミダスは好色で、2D:4D比の高いアウストラロピテクス・アファレンシスは一途だった模様。比率の低いネアンデルタール人と9万年前のホモ・サピエンスは、「現代の人間よりも性欲旺盛だった可能性がある」とのこと。

 とはいえ、研究チームもこのような研究は奇抜だとはわかっているようだ。ネルソン氏は、「指の長さの比率は、ヒト亜科の生活様式について非常に興味深い提言をもたらしてくれる。しかし、証拠が少ないことを認めざるをえない。確認するためには、化石がもっと必要だ」と語っている。(c)AFP