【7月25日 AFP】ロシア・モスクワ(Moscow)の郊外にある国際宇宙ステーション(International Space StationISS)コントロールセンターの関係者が23日、インタファクス(Interfax)通信に対し、中国が2007年にミサイルで破壊した気象衛星の破片が国際宇宙ステーションに接近していると語った。

 この関係者は破片はISSにとって危険な軌道をとっているが、ISSが回避運動をとるには遅すぎると語り、軌道計算で破片がISSに極めて接近することが分かれば、ISS滞在中の6人の飛行士に、ISSにドッキングしているロシアのソユーズ(Soyuz)宇宙船に避難するよう命令する可能性もあると述べた。しかしこの関係者は匿名だった上、その後ロシア側からのコメントは出ていない。

 一方、米航空宇宙局(NASA)のケリー・ハンフリーズ(Kelly Humphries)報道官は、専門家が観測した結果、破片とISSの間には十分な距離があり、ISSを移動させて破片を回避する必要はないことが確定したと電子メールで明らかにした。

 中国は2007年、老朽化した気象衛星「風雲1号C(Feng Yun 1C)」を地上から発射したミサイルで破壊した。人工衛星の撃墜実験はそれまでの20年間で例がなく、米国などは大量の宇宙ゴミが発生するなどとして重大な懸念を示していた。(c)AFP

【関連記事】中国が人工衛星撃墜実験に成功、塩崎官房長官が懸念を表明 - 東京