【6月14日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は10日、米衛星GOESが5月30日にとらえた南北米大陸とその周辺の熱エネルギーの放出をとらえた画像を公開した。

 白い部分が最も温度が高く最も多くの熱エネルギーを放出しているエリア。画像の中央下部に南米の太平洋沿岸の砂漠地帯が白い線となっているのが見える。最も熱エネルギー放出が少ないエリアは濃い灰色から黒色で描写されている。画像の黒い部分は、高度の高い雲がある場所。

 雲が放出する熱エネルギーは雲の温度に比例しており、高度が低く温度が高い雲は、高度が高く温度の低い雲より多くの熱エネルギーを放出する。

 この画像には、高度の低い雲が地表とほとんど同量の熱エネルギーを放出している様子がとらえられている。特に太平洋上でそれが顕著にとらえられている。海がほぼ白であるのに対し、太平洋上の低い雲もわずかに灰色がかっているだけで、雲の方がわずかに温度が低い程度であることがわかる。

 このことから、仮に地球上に高度の低い雲が全く無かったとしても、低い雲のある場合と同程度のエネルギーが宇宙に放出されることがわかる。

 一方で、高度の高い雲は効果的にエネルギーをとらえ、宇宙に放出されるはずのエネルギーを大気中に閉じこめるため、地球の温度を上げる可能性がある。(c)AFP