【12月1日 AFP】来年創立350周年を迎える世界最古の科学機関、英国王立協会(Britain's Royal Society)は30日、これまで機関誌で発表してきたアイザック・ニュートン(Isaac Newton)やベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)など革新的な科学者たちの論文を掲載する特設サイト「Trailblazing」を開設すると発表した。

 同サイトに掲載されるのは、これまでに発表された6万本の論文から選ばれた60本。この中には、のちに理論物理学の基礎となったニュートンが1600年代に発表した光と色に関する論文や、米国建国の父の1人でもあるフランクリンが嵐の中でたこを揚げる実験で、雷が超自然現象ではなく電気であることを解明した論文、作曲家ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)の並外れた才能を科学的に解明した1770年の論文などがある。17世紀に行われた輸血に関する、身の毛のよだつような報告書もある。

 最近の例では、英国の天体物理学者スティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)博士のブラックホールに関する初期の論文を閲覧することができる。

 協会は創立350周年を迎える来年、さまざまな記念イベントを行う予定だ。

 若い科学者たちを支援し、科学議論にも影響力のある英国王立協会は、哲学者で科学者のフランシス・ベーコン(Francis Bacon)の考えについて思想家たちが集い議論するカレッジとして始まった。ロンドン(London)のグレシャム・カレッジ(Gresham College)に12人のメンバーが集った1660年11月28日が、公式の創立日とされている。

 協会は週に1回会合を開き、実験に立ち会ったり、科学の話題について議論していた。「王立協会」の名が初めて印刷物に登場したのは1661年だ。(c)AFP

【参考】英国王立協会の特設サイト「Trailblazing」(英語)