【5月31日 AFP】米カリフォルニア(California)州ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)で29日、世界最大のレーザー核融合施設「国立点火施設(National Ignition FacilityNIF)」の竣工式が行われた。

 米国の核兵器の信頼性と安全性を評価がNIFの本来の目的だが、専門家は安全な核融合エネルギーの利用に向けた技術革新が生まれる可能性もあると指摘している。

 世界最大のレーザー核融合施設であるNIFはカリフォルニア州サンフランシスコ(San Francisco)から車で約1時間ほどの場所にある。192本のレーザー光線を1点に集束させて、恒星や巨大惑星内部の高温・高圧の状態を再現する。

 NIFはこれまで不可能だった実験が可能になるとしている。同施設で超新星やブラックホール、巨大惑星の内部の状況を再現することで、惑星科学や天文物理学における画期的な発見が可能になるはずだと、NIFの科学者は主張している。

 NIFは米エネルギー省国家核安全保障局(National Nuclear Security AdministrationNNSA)の資金で、1997年に建設が開始され、今年4月に完成した。カリフォルニア州や連邦政府の高官ら数千人が出席した竣工式でカリフォルニア州のアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)知事は、「NIFは太陽と同じエネルギーをわれわれの車や家庭で利用することに道を開くもので、カリフォルニアのみならず米国、そして世界にとって大きな成果だ」と述べた。(c)AFP/Glenn Chapman