【1月22日 AFP】赤ちゃんの「かわいらしさ」について、女性のほうが男性よりもはるかに敏感だとする英大学の研究結果が21日、発表された。

 英セントアンドルーズ大学(University of St. Andrews)などの心理学者チームは、100枚以上の赤ちゃんの顔写真の中から10枚を選び、コンピューターを使ってこれらの写真を合成し、「かわいらしい」顔から「あまりかわいくない」顔までさまざまなバリエーションを作製した。

 これらを男女の被験者に見せたところ、女性は「ぽっちゃりしたほっぺた、大きな額、くりくりした目、丸い鼻」といった赤ちゃんの「かわいらしさ」をだいぶ容易に見分けたのに対し、男性はそうした違いをなかなか見分けられないことが分かった。

 研究チームは、かわいらしさに対する感受性は、女性ホルモンと関係しているのではないかとみている。

■生殖ホルモンが関連か

 同実験では、19-26歳と45-51歳の女性は、19-26歳と53-60歳の男性よりも、乳幼児のかわいらしさに敏感であるという結果も得られた。ただし、53-60歳の女性では、かわいらしさに対する感受性が男性と同レベルであることも分かった。

 英国女性の更年期の平均年齢は51歳であることから、研究チームは「生殖ホルモンも関連している可能性がある」と考え、同じ年齢の更年期前と更年期後の女性、経口避妊薬(プロゲステロンとエストロゲン)を服用している女性と服用していない女性とでも、実験結果を比較した。経口避妊薬にはホルモンレベルを人工的に増加させる効果がある。

 その結果、更年期前の女性、経口避妊薬を服用している若い女性では、比較対象グループよりも、かわいらしさに敏感であることが分かった。

 以上から、乳幼児のかわいらしさに対する感受性に、女性の生殖ホルモンが関与していると推定できる。

 研究チームは、「かわいらしさが、幼さや無力さ、世話をされる必要性などを示しているのであれば、かわいらしさの微妙な変化に気付くことができる能力は、乳幼児に必要とされる母親の助けを導き出すために発達したものかもしれない」と分析している。(c)AFP