【1月20日 AFP】英国では、脳卒中と失明の患者に対する最新の幹細胞研究を利用した臨床試験がそれぞれ開始されることになっている。医療専門家らが19日、発表した。

 医師らは、脳卒中患者の回復推進を目的とした世界初の臨床試験を、6月にグラスゴー(Glasgow)で開始したいとしている。だが、この治療方法に関しては、倫理委員会の承認がまだ得られていない。

 臨床試験では、流産した胎児から採取した幹細胞を脳卒中患者の脳に投与し、脳の損傷を受けた部分が効果的に再生するかどうかをみるのだという。この治療方法は英企業ReNeuronが開発した。

 また、脳卒中とは別に、角膜障害により失明した患者20人に対する2年間にわたる臨床試験が今月、エディンバラ(Edinburgh)にあるPrincess Alexandra Eye PavilionとグラスゴーのGartnavel General Hospitalで開始される予定となっている。

 臨床試験では、研究上賛否両論ある胎児の幹細胞を使うのではなく、死亡した成人のドナーから採取した幹細胞を使うという。臨床試験に成功すれば、世界中で数百万人に上るとされる、角膜障害による失明患者を救うことができるという。こうした患者の約80%を高齢者が占めているという。(c)AFP