【1月7日 AFP】北米大陸全域で発見されたダイヤモンドの粉末が大量に含まれている土壌は、地球への隕石(いんせき)落下でマンモスなどの動物が絶滅したとの説を裏付けるものだとする研究結果が、2日発行の米科学誌「サイエンス(Science)」で発表された。

 研究を率いたオレゴン大学(University of Oregon)のダグラス・ケネット(Douglas Kennett)氏は、「約1万2900年前に起きた隕石の衝突が、北米大陸の動植物や人間に大規模な環境の変化をもたらしたことを、今回の発見は強力に証明している」と述べている。

 今回の発見は、地球に数個の隕石が衝突したことで1300年にわたる長い氷河期が訪れ、その結果、数種類の動物と、先史時代のクロービス(Clovis)文化が消滅したとする、2007年に発表された学説を支持するものとなりそうだ。

 クロービスの人びとは、現在の米国、メキシコ、中米にまたがる地域で狩猟採集をして生活していた。クロービス文化の最盛期は1万3200年前から1万2900年前までで、専門家らによると、クロービスの人びとは、シベリア(Siberia)から、かつてつながっていた大陸を渡って北米大陸に移住したとされている。

 研究チームによって発見された、ダイヤモンドの粉末が大量に含まれている堆積(たいせき)層の1つは、アリゾナ(Arizona)州マレー・スプリングス(Murray Springs)の、クロービス文化の遺物が発見された場所の真上に位置しているという。

 堆積層に含まれていたナノサイズのダイヤモンドは、隕石が衝突した場合に起きるような高温高圧の状況で作られる。地球上でも作ることは可能だが、強力な爆弾の爆発か、化学的気化で加工した場合だけだ。(c)AFP